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よくある質問: Blog2

SMDC 2025年Q4決算:2026年に不動産投資家が注視すべき5つのシグナル

  • bedandgoinc
  • 2月26日
  • 読了時間: 5分

February 26, 2026


SMDCのQ4決算(SM Primeの住宅「Residences」セグメントとして報告)は、2025年末時点でマス向けコンドミニアム市場のサイクルがどの局面にあったのか、そしてそのポジションが2026年の価格形成・販売吸収(テイクアップ)・賃貸戦略に何を示唆するのかを、投資家にとって実務的に読み解ける材料です。

Q4の数値から得られる結論は、「市場全体が弱い」という単純な見立てではありません。むしろこれは再調整(リバランス)です。四半期における売上認識(収益計上)と収益性の鈍化が見られる一方で、資金調達環境や購買行動の変化を踏まえ、デベロッパーが新規供給(ローンチ)と在庫管理をより慎重に運用していることが明確に示されています。



1) 2025年Q4の住宅売上は減少:需要ゼロではなく、認識が遅れている

2025年Q4の住宅セグメント売上は**₱9.94Bで、前年同期比32%減**(₱14.62Bから減少)でした。

不動産投資家にとって重要なのは、売上(Revenue)は新規購入者の関心だけを表すものではないという点です。売上は、工事進捗や引き渡し(ターンオーバー)スケジュールに基づいて認識されるため、問い合わせや予約が一定あっても、市況の変化や買い手の選別が進む局面では、収益計上が遅れることがあります。

次に注視すべき点

2026年の各四半期で、プロジェクトの完成・引き渡しが平準化するにつれ、売上の前年同期比の減少幅が落ち着いていくかを確認しましょう。

2) 収益性が大きく圧縮:価値と吸収力(販売消化)を優先すべき局面

2025年Q4の住宅EBITは**₱3.66Bで前年同期比47%減**、EBITDAも同様に47%減でした。

利益率(マージン)への圧力は通常、以下のいずれか(または複数)を示唆します。

  • プロジェクト構成の変化(プロモーション/バリュー商品比率の上昇)

  • コスト上昇

  • 価格決定力の低下

  • 特定サブマーケットでの競争激化

投資家への示唆

2026年は、値上がり期待だけに依存するのではなく、借り手需要が堅い資産(交通結節点に近い立地、雇用集積地、強いアメニティ)に重点を置くべきです。

3) 予約販売が減少:買い手がより“選別的”になっている

2025年Q4の予約販売(Reservation Sales)は**₱8.25Bで前年同期比17%減**。通期2025年の予約販売は**₱48.92Bで前年同期比22%減**でした。

これはサイクル後半に見られやすい典型的なサインです。買い手は市場から消えたわけではなく、価格感度が高まり、比較検討が増えている(RFOや中古・セカンダリー在庫も含めて)状態です。

“選別的な需要”の具体像

  • 月々の支払いに収まりやすい小さめの間取り(スタジオ/1BR)

  • 「すぐ入居可能(move-in ready)」や実用的なレイアウトへの重視

  • 鉄道・道路の接続性、生活利便施設に近いプロジェクトの優先

4) ローンチ数が大幅減:デベロッパーが供給をコントロールしている

2025年Q4のローンチ戸数は111戸で、前年同期比84%減(707戸から減少)でした。

ローンチを急減させる動きは、多くの場合規律(ディシプリン)ある判断です。販売吸収と価格を守りたいとき、そして既存在庫の消化を優先したいときに、新規供給を抑える傾向が強まります。

投資家にとっての意味

ローンチ抑制は、特定エリアでの将来的な供給過剰を抑え、エンドユーザー需要が安定している場所では、再販価格と賃料の安定を支える可能性があります。

5) 在庫は増加:2026年の最大の優位性は「ユニット選び」

2025年Q4の報告在庫(戸数)は731戸で、前年の96戸から増加しました。

在庫増は必ずしも弱気材料ではありません。買い手・投資家にとっては、選択肢が増え、交渉が現実的になりやすいという意味で、むしろ機会になり得ます。特に以下の条件で交渉余地が出やすい傾向があります。

  • 高層階などで好みが分かれる向き・条件のユニット

  • 古いローンチロット(販売開始が早い在庫)

  • 近隣のRFO供給と真正面から競合するユニット

2026年の実務的プレイブック

  • 近隣のRFO・中古(セカンダリー)相場を基準に価格交渉する

  • 賃貸の基礎体力が強いユニットを優先(徒歩利便、交通アクセス、雇用密度)

  • 保守的に収支を組む:空室期間は長め、賃料上昇は平準化して見積もる

マクロ視点:利下げは購買力を支えるが、タイミングが鍵

2025年後半にかけてのBSPの政策緩和は、2026年に向けて住宅購入の負担感を和らげる環境を作りました。一方で、2025年は住宅市場全体として、依然として価格モメンタムが見られた(例:BSPの住宅価格指数)点も重要です。

SMDCに注目する投資家にとって、2026年の最大の問いは次の通りです。「資金調達の摩擦が下がることで予約の回転が早まるのか、それとも当面はリファイナンスや中古取引の支援が先に進むのか?」

結び:SMDCの2025年Q4決算が2026年に示唆すること

SMDCの2025年Q4決算は、収益計上と収益性が冷えつつある一方で、デベロッパーがローンチペースと在庫をより積極的に管理している市場を示しています。2026年の機会は「何でも買って待つ」ではなく、正しいミクロ立地で、正しいユニットを選び、賃貸需要で保有期間を支えられる資産を買うことです。

2026年にマクロ環境が安定し、購買力が改善するなら、上振れはおそらく、接続性が高く、価格競争力があり、賃貸に出しやすいプロジェクトに集中します。これは、買い手が選別的になる局面でこそ強い「勝ち筋」です。


出典

  1. SM Prime Holdings – 4Q/FY 2025 Investor Briefing Deck(PDF): https://www.smprime.com/wp-content/uploads/2026/02/4Q_FY2025_IR-Deck_FINAL16Feb2026_FINAL.pdf

  2. SM Prime Holdings – “SM Prime Net Income Hits P48.8B in 2025”(Company Release): https://www.smprime.com/company_releases/sm-prime-net-income-hits-p48-8b-in-2025/

  3. Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP)– Monetary Policy Decisions: https://www.bsp.gov.ph/SitePages/PriceStability/MonetaryPolicyDecision.aspx

  4. BSP – Residential Property Price Index(Media Release): https://www.bsp.gov.ph/SitePages/MediaAndResearch/MediaDisp.aspx?ItemId=7684&MType=MediaReleases

  5. Reuters – BSP rate cut(2025年8月28日): https://www.reuters.com/world/asia-pacific/philippine-central-bank-cuts-benchmark-rate-by-25-basis-points-2025-08-28/

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