「コリビング2.0」の台頭:なぜ投資家はスタジオからシェア型物件へ乗り換えているのか
- bedandgoinc
- 2月23日
- 読了時間: 5分
February 23, 2026
2026年、従来型のスタジオコンドミニアムは、もはや“エントリー向け投資”の定番ではなくなりつつあります。
メトロマニラや東南アジアの主要都市では、投資家たちが新たなアセットクラスへと資金をシフトしています。それが、デジタルノマドや若手プロフェッショナル向けに設計されたハイエンド型コリビングスペースです。
かつては低価格帯の「ドーミテル(簡易宿泊型物件)」として始まった形態が、いまやCo-Living 2.0へと進化しました。デザイン性を重視し、コミュニティを中心に据え、テクノロジーを活用した住環境は、従来のスタジオユニットと比べて最大20%高い賃貸利回りを生み出すケースもあります。
これは単なるトレンドではありません。
現代の働き方・暮らし方の変化に対する、構造的な進化なのです。
ドーミテルからデザイン主導型コリビングへ
2010年代初頭、学生や新社会人向けにマイクロユニットやドーミテルが増加しました。これらは価格重視で設計され、快適性やコミュニティ性は二の次でした。
一方、Co-Living 2.0は以下を統合しています:
プライベート寝室
デザイン性の高い共用キッチン
コワーキングラウンジ
高速インターネット環境
コミュニティイベントやプログラム
柔軟な賃貸契約期間
違いは見た目だけではありません。収益構造が根本的に異なります。
世界的な不動産アドバイザリー企業JLLによると、主要都市においてコリビングは従来型賃貸よりも高い入居率の安定性を示しています。その背景には、手頃な価格とコミュニティ志向の需要があります。

なぜスタジオより15〜20%高い利回りが可能なのか
1. 空間最適化による収益最大化
24〜28㎡のスタジオは1名入居が前提です。
しかし60〜80㎡のコリビングユニットであれば、共用設備付きで3〜4室の個室を設けることが可能です。
つまり、同じ床面積で複数の収益源を確保できるのです。
例:
物件タイプ | 面積 | 入居者数 | 想定表面利回り |
スタジオコンド | 26㎡ | 1人 | 5〜6% |
コリビングユニット | 70㎡(4室) | 4人 | 7〜9% |
適切に管理されていれば、入居密度の高さはより強い収益性につながります。
2. デジタルワーカーからの需要
世界銀行の労働統計や地域レポートによれば、フィリピンはフリーランス・リモートワーカー市場の成長が著しい国の一つです。
デジタルノマドや若手プロフェッショナルが重視するのは:
高速で安定したWiFi
柔軟な契約条件
ビジネス地区へのアクセス
コミュニティ環境
彼らは広い専有面積よりも、共用設備と人とのつながりを重視しています。
2026年のCo-Living 2.0の姿
孤立ではなく、コミュニティ設計
スタジオコンドが“個室に閉じこもる”生活を前提とするのに対し、Co-Living 2.0は:
コミュニティキッチン
ルーフトップラウンジ
ポッドキャストルーム
ジム・ウェルネススペース
予約制ミーティングルーム
などを備え、生活と仕事を統合します。
コワーキング機能の内蔵
ハイブリッド勤務が定着した現在、コリビング物件には専用ワークスペースが組み込まれています。
Colliersの調査によると、住居内ワークスペースを備える物件は入居継続率と稼働率が向上する傾向があります。
投資家にとっては:
入退去の減少
空室リスクの低減
安定収益
につながります。
なぜ投資家はスタジオから移行しているのか
スタジオ市場の利益圧迫
BSP(フィリピン中央銀行)の市場データによれば、メトロマニラの一部サブマーケットでは小型ユニットの供給過多が見られます。
供給増加により:
賃料上昇が鈍化
インセンティブ競争激化
空室期間の長期化
スタジオは価格競争に陥りやすいのです。
コリビングは「体験」で競争する
コリビングは:
ライフスタイル
柔軟性
コミュニティ価値
オールインクルーシブ料金
で差別化します。
1人あたりの賃料は抑えつつ、1室あたりの総収益を高めることが可能です。
立地戦略:どこで成功するのか
Co-Living 2.0が強いのは:
ビジネス地区周辺(オルティガス、BGC、マカティ周辺)
大学エリア
トランジット指向型開発地域
IT・BPOハブ
鉄道インフラ拡張が進む中、交通利便性は引き続き重要な価値要素です。
駅近物件は稼働率と価格決定力が高く維持されます。
投資家が注意すべきリスク
高利回りの裏には、適切な運営が不可欠です。
必要なのは:
強力なプロパティマネジメント
明確なハウスルール
テナント審査
法規制遵守
経験あるオペレーターと提携しない限り、「買って放置」モデルではありません。
ただし、単一入居者依存リスクは低減されます。
大きな変化:面積よりコミュニティ
2026年、若手プロフェッショナルが求めるのは:
柔軟性
コミュニティ
接続性
手頃な価格
最大面積ではありません。
投資家の問いも変わりました。
「何㎡買えるか?」ではなく、
「この空間はどれだけ効率的に収益を生むか?」
Co-Living 2.0は、その答えを示しています。
将来展望:一時的ではなく構造的変化
ハイエンド型コリビングの成長は、都市生活の構造的変化を反映しています。
リモートワーク拡大とライフスタイル統合が進む中、シェア型住宅は持続的需要が見込まれます。
スタジオは今後も存在します。
しかし2026年、賃貸パフォーマンスの再定義を行っているのは、間違いなく共有型空間です。
出典
JLL Global Co-Living Insights Report https://www.jll.com/en/trends-and-insights/research/co-living-report
Colliers Flexible Workspace Research https://www.colliers.com/en/research
Bangko Sentral ng Pilipinas RREPI https://www.bsp.gov.ph
World Bank Labor Market Data https://data.worldbank.org




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