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よくある質問: Blog2

PSA、2025年第2四半期のフィリピンGDP成長率を5.5%で維持:改定が示す経済の実態とは

  • bedandgoinc
  • 6 分前
  • 読了時間: 4分

November 22,2025


フィリピン統計庁(PSA)は、主要産業のいくつかに調整があったにもかかわらず、第2四半期の国内総生産(GDP)成長率を当初発表どおり**5.5%**で維持したと正式に発表しました。今週公開された改定値は、年央時点での経済状況をより明確に示すものであり、第3四半期の結果発表を前に、今後の動向を占う手がかりにもなっています。


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GDPは維持されたものの、主要所得指標は下方修正


見出しとなるGDP成長率は据え置かれましたが、PSAはその他の国民所得指標を下方修正しました。国内生産に海外からの所得を加えた**国民総所得(GNI)**は、8.2%から8%へ引き下げられました。


同様に、海外フィリピン人労働者(OFW)の給与や海外に拠点を持つフィリピン企業の収益などを含む海外からの第一次所得収支も、32.8%から30.3%へ下方修正されました。

これらの修正は、国内経済自体は堅調に推移したものの、海外からの所得流入は当初の見込みよりやや弱かったことを示しています。


産業別の改定値は、業種ごとに明暗が分かれる結果に


PSAの最新報告では、6つの主要産業について数値の修正が行われ、各業種の回復力と減速の度合いが明確になっています。


下方修正された産業


以下の産業では、成長率がわずかに引き下げられました。


  • 製造業:2.5%(2.7%から)

  • 金融・保険業:5.4%(5.6%から)

  • 不動産・住宅賃貸:5.9%(6.1%から)


これら3分野は、国内消費と投資の動向と密接に関連しています。成長の鈍化は、高金利環境、投資家心理の弱さ、規制不透明性、不動産市場の調整など、継続的な課題が影響している可能性があります。


上方修正された産業


一方で、以下の産業は当初予想より好調でした。


  • 卸売・小売業:5.3%(5.1%から)

  • 運輸・倉庫業:8.8%(8.3%から)

  • 鉱業・採石業:−1.3%(−2.9%から)


小売・運輸の改善は、移動の活発化と消費活動の堅調さを示しています。また鉱業の縮小幅が小さくなったことは、世界的な資源需要の持ち直しが影響している可能性があります。


需要側の指標は変更なし


興味深いことに、家計消費、政府支出、投資、輸出などの需要側指標には修正がありませんでした。これは、今回の調整が主に**供給側の要因(産業別生産活動)**によるものであり、消費者行動や政府支出の変動は大きくなかったことを示唆します。


年央時点の成長率は依然として目標未達


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2025年上半期の経済成長率は**5.4%となり、政府が掲げる通年目標である5.5〜6.5%**をわずかに下回りました。


これは、年後半により強い成長が必要であることを示しています。しかし、国内外の逆風を考えると、それを達成するのは簡単ではない可能性があります。


アナリストは2025年第3四半期の成長鈍化を予測


PSAは11月7日に第3四半期の公式成長率を発表する予定です。BusinessWorldが実施したエコノミスト調査では、第3四半期の成長率の中央値は**5.3%と予測されています。これは第2四半期の5.5%より遅いものの、前年同期(2024年第3四半期)の5.2%**はわずかに上回る見込みです。


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主要な懸念点として、以下の複数の要因が景気の重しになる可能性が指摘されています。


1. 政府支出の停滞

経済企画庁長官 アルセニオ・M・バリサカン氏は、洪水対策事業に関する汚職調査が政府支出に影響を及ぼし、公共工事やインフラ投資の遅れを引き起こした可能性があると述べました。

2. 気象災害による混乱

7月〜9月にかけて複数の台風が発生し、企業活動の停滞、学校の休校、サービス業の活動鈍化を招きました。

3. 世界経済の不確実性

米国の貿易政策の変動、世界市場の不安定さ、地政学的緊張などが続き、輸出、物流、投資フローにリスクをもたらしています。


これらの要因が重なり、第3四半期の経済パフォーマンスに圧力をかけ、成長が鈍化するとの見方が強まっています。


フィリピン経済の今後の展望


第2四半期の5.5%のGDP成長率は、堅調な国内消費と移動関連分野の改善に支えられ、経済が依然として強い回復力を持っていることを示しています。しかし、特に不動産、製造業、金融サービスの改定値を見ると、経済の基盤にはいくつかの脆弱性が残っていることが明らかです。


外部リスクと政策の不透明さが続くなか、政策担当者は今後の減速を回避するために以下の対応が求められます。


  • インフラ支出の強化

  • 投資家信頼感の回復

  • 予算執行の迅速化


フィリピンが第3四半期の正式データ発表を待つ中、上半期の統計は、進捗の姿を示すと同時に、今後対処すべき課題の大きさを改めて浮き彫りにしています。


出典:

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