マニラの不動産管理2026年版:賃料下落に備えてコンドミニアムの家賃収入を守る7つの対策
マニラ首都圏のコンドミニアム賃貸市場では、物件の供給増加や入居者獲得競争の激化が課題となっています。
特に、日本など海外に住む不動産オーナーにとって、安定した家賃収入を確保するには、空室対策や物件の維持管理、適切な賃料設定が欠かせません。
2026年には、不動産コンサルタントのDavid Leechiu氏が、一部の中価格帯スタジオタイプの家賃が月額8,000ペソ、さらには5,000ペソまで下落する可能性があると警告し、注目を集めました。

ただし、これは将来の市場予測であり、マニラ首都圏のすべてのコンドミニアムが月額5,000ペソになるという意味ではありません。
実際の賃料は、立地、建物の品質、専有面積、設備、入居者の需要などによって大きく異なります。
こうした市場環境では、マニラの不動産管理を見直し、物件の競争力と収益性を維持することが重要です。
今回は、コンドミニアムオーナーが賃料下落に備え、家賃収入を守るために検討したい7つの対策を解説します。
1. 周辺相場を確認し、適正な家賃を設定する
家賃収入を確保するうえで、適切な賃料設定は最も重要な要素の一つです。
以前の入居者が支払っていた家賃を基準に募集を続けていても、周辺により安い競合物件が増えている場合、新しい入居者が見つかりにくくなることがあります。
賃料を設定する際には、同じ建物や近隣のコンドミニアムで、条件の似た物件がいくらで募集されているかを確認しましょう。

比較すべき主な条件は、専有面積、家具・家電の有無、階数、駐車場、建物の築年数、共用設備などです。|
例えば、所有物件を月額30,000ペソで募集している一方、同程度の物件が25,000ペソで募集されている場合は、価格差に見合う設備や立地上のメリットがあるかを検討する必要があります。
実践したい対策: 周辺の募集賃料を定期的に確認し、可能であれば実際の成約条件も参考にしながら、需要に合った賃料を設定しましょう。単に最安値へ引き下げるのではなく、物件の価値を適切に評価することが大切です。
2. 空室期間を短縮し、家賃収入の損失を抑える
コンドミニアムは、入居者がいない期間でも維持費が発生する場合があります。
管理組合費、固定資産税、保険料、設備維持費などは、空室中であっても支払いが必要になることがあります。

例えば、月額30,000ペソで貸し出す予定のコンドミニアムを考えてみましょう。
賃貸状況 | 年間家賃収入 |
12か月間満室 | ₱360,000 |
2か月間空室 | ₱300,000 |
4か月間空室 | ₱240,000 |
4か月間の空室が発生すると、年間の家賃収入は120,000ペソ減少します。
一方、月額27,000ペソで12か月間入居が続いた場合、年間家賃収入は324,000ペソです。
つまり、募集賃料を少し下げても、空室期間を短縮できれば、年間収入が増える場合があります。
※上記は説明用の仮定の計算例であり、諸費用は含んでいません。
実践したい対策: 空室が続くことによる損失を計算し、物件情報の掲載方法や写真、問い合わせ対応、内覧の調整を見直しましょう。
3. 大規模なリフォームより、費用対効果の高い改善を優先する
入居希望者は、複数の物件を比較する際、家賃だけでなく室内の清潔さや設備の状態も確認します。
エアコンの不具合、傷んだ内装、水回りの問題、古い家電製品などがあると、物件の印象が悪くなる可能性があります。
ただし、高額なリフォームを行えば、必ず家賃を引き上げられるわけではありません。

そのため、まずは入居者の快適性に直結する改善を優先することが重要です。
例えば、壁の塗り替え、室内清掃、エアコンの点検、配管修理、故障した家電の交換などが考えられます。
仮に20,000ペソの修繕で物件の状態を改善できるのであれば、全面的な内装工事より費用を抑えられる可能性があります。
実践したい対策: 賃貸募集前に物件を点検し、必要な修繕を整理しましょう。改善にかかる費用と、期待できる賃貸条件を比較することが大切です。
4. 家賃の安さだけで競争せず、物件に合った入居者を探す
入居者を確保する方法は、賃料を下げることだけではありません。
物件の立地、間取り、家具、設備、周辺施設などの特徴によって、適した入居者層は異なります。
例えば、マカティのオフィス街に近い物件であれば、通勤時間を短縮したい会社員にとって魅力的な条件となる場合があります。
BGCの商業施設やビジネスエリアに近いコンドミニアムであれば、都市生活の利便性を重視する駐在員や企業勤務者などが検討する可能性があります。

賃貸広告では、交通アクセス、家具・家電、インターネット環境、駐車場、共用設備などの情報を具体的に記載することが重要です。
また、実際の室内状態を正確に伝える写真を使用することで、入居希望者が物件を比較しやすくなります。
実践したい対策: 物件の特徴に合う入居者層を想定し、魅力を分かりやすく伝えましょう。入居審査は、適用される法令や適切な基準に従って行うことが必要です。
5. 維持費を把握し、実際の賃貸収益を確認する
コンドミニアム投資では、毎月の家賃収入がそのまま利益になるわけではありません。
実際には、管理組合費、修繕費、入居者募集費用、管理委託料、税金などの支出が発生します。
そのため、家賃の総額ではなく、各種費用を差し引いた収益を確認することが重要です。
年間賃貸収益の計算例
項目 | 金額 |
月額家賃 | ₱30,000 |
満室時の年間家賃収入 | ₱360,000 |
2か月間の空室損失 | −₱60,000 |
年間管理組合費 | −₱60,000 |
修繕・維持費 | −₱20,000 |
管理委託関連費用 | −₱24,000 |
その他費用控除前の残額 | ₱196,000 |
※上記は説明用の仮定の計算例です。税金、保険料、融資返済、その他の物件固有の費用は含まれていません。
こうした収支を定期的に整理することで、所有物件が現在どの程度の収益を生み出しているかを把握できます。
実践したい対策: 毎月の支出を記録し、計画的な設備点検や修繕を実施しましょう。収益を判断する際には、家賃収入だけでなく実際の支出にも注目することが大切です。
6. 海外在住オーナーは不動産管理会社への委託を検討する
日本など海外に居住しながら、フィリピンのコンドミニアムを管理することには、時間的・地理的な制約があります。
入居者から修繕依頼があった場合でも、オーナー自身が現地へ行って確認できるとは限りません。
また、家賃の入金確認、内覧の調整、設備点検、契約書類の管理など、賃貸運用にはさまざまな業務が伴います。
こうした問題に対応する方法の一つが、現地の不動産管理会社への業務委託です。
契約内容によっては、入居者との連絡、物件点検、修繕業者との調整、賃貸契約の管理、オーナーへの報告などのサポートを受けられます。
もちろん、管理委託には費用が発生します。また、空室の解消や家賃収入の増加が保証されるわけではありません。
それでも、現地で対応する体制を整えることで、管理業務の負担を軽減できる可能性があります。
実践したい対策: 自主管理にかかる時間や費用と、専門会社へ委託する費用を比較し、ご自身に合う管理方法を検討しましょう。
7. 賃貸を継続するか、管理方法を改善するか、売却するかを判断する
すべてのコンドミニアムが、長期的な賃貸運用に適しているとは限りません。
空室期間の長期化、修繕費の増加、家賃収入の減少、ライフプランの変化などによって、保有を続けるメリットが小さくなる場合もあります。
ただし、賃料が下落しているからといって、すぐに売却することが最善とは限りません。
Colliers Philippinesの2026年第2四半期住宅市場レポートでは、マニラ首都圏の住宅空室率が2026年末に25.6%に達する可能性があると予測されています。
これは広範な住宅市場に関する予測値であり、すべてのコンドミニアムに当てはまる空室率ではありません。
売却を検討する場合には、今後得られると予想される家賃収入と、税金や手数料などを差し引いた売却後の手取り額を比較することが重要です。
実践したい対策: 現在の収益、将来の修繕費、周辺の売却価格などを確認し、保有継続・管理委託・リフォーム・売却の選択肢を比較しましょう。
マニラの不動産管理 2026年版 簡単なまとめ:7つの不動産管理戦略
対策 | 期待できる効果 |
適正な賃料設定 | 市場需要に合った募集条件 |
空室期間の短縮 | 家賃収入がない期間の削減 |
費用対効果の高い物件改善 | 入居希望者への訴求力向上 |
物件に合った入居者募集 | 特徴を生かした賃貸活動 |
維持費と収支の管理 | 収益性の正確な把握 |
専門会社への管理委託 | 海外からの管理負担の軽減 |
保有・売却の比較 | 長期的な資産運用方針の明確化 |
2026年のコンドミニアム供給過剰はオーナーに何を意味するのか?
マニラ首都圏の賃貸市場を考えるうえで、供給過剰の問題は重要な要素です。
Colliersの2026年第1四半期住宅市場レポートでは、供給の多さを背景に、コンドミニアムの賃料水準が2026年を通じておおむね横ばいとなる見通しが示されました。
一方、Leechiu Property Consultantsの2026年第3四半期市場レポートでは、コンドミニアム販売に改善が見られ、在庫の消化期間が約28か月分に短縮したと報告されています。
ただし、売買市場の改善が、直ちに賃貸市場の回復を意味するわけではありません。
また、マニラ首都圏全体の市場予測だけでは、個々のコンドミニアムの収益性を判断できません。
オーナーは、自分の所有する建物の募集状況、実際の家賃相場、空室履歴、入居者需要を確認することが大切です。
市場予測は判断材料の一つとして活用し、最終的には物件ごとの状況に基づいて対応しましょう。
よくある質問(FAQ)
1. マニラのコンドミニアム家賃は本当に月額5,000ペソまで下がるのでしょうか?
David Leechiu氏は、一部の中価格帯スタジオタイプについて、そのような水準まで下落する可能性を指摘しています。ただし、これは将来予測であり、マニラ首都圏のすべての物件に当てはまるものではありません。
2. 賃料が下落している場合、すぐに家賃を下げるべきですか?
必ずしもそうとは限りません。まずは周辺の募集賃料、実際の需要、物件の設備、空室期間などを確認しましょう。賃料の調整は、個別の市場状況に合わせて判断することが重要です。
3. コンドミニアムの長期空室を減らすにはどうすればよいですか?
適正な賃料設定、正確な物件情報、質の高い写真、設備の維持管理、問い合わせへの迅速な対応などが役立つ場合があります。ただし、必ず入居者が決まることを保証するものではありません。
4. 賃料が下落している状況でも、管理会社に委託する価値はありますか?
海外からの管理業務に負担を感じている場合や、現地での修繕・入居者対応を効率化したい場合には、有効な選択肢となります。管理手数料とサービス内容を比較して判断しましょう。
5. 日本に住みながらフィリピンのコンドミニアムを賃貸管理できますか?
はい。海外からご自身で管理する方法のほか、適切な契約や権限に基づいて現地の不動産管理会社へ業務を委託する方法もあります。
6. 家賃収入が減り続けている場合、コンドミニアムを売却したほうがよいですか?
物件の収益性、維持費、今後の修繕費、現在の売却相場、オーナーの資産計画などによって異なります。賃貸を続ける場合の収益と売却後の手取り額を比較して判断しましょう。
7. BedandGo Real Estateでは、コンドミニアムの管理についてどのような相談ができますか?
BedandGo Real Estateでは、不動産管理、賃貸に関するお問い合わせ、物件の点検や修繕調整、賃貸運用の見直し、コンドミニアム売却に関するご相談など、お客様の状況に応じたサービスをご案内しています。
まとめ
マニラ首都圏のコンドミニアム賃貸市場では、供給状況や入居者需要の変化に応じた対応が求められています。
過去の賃料水準にこだわるのではなく、現在の市場相場を確認し、空室期間の短縮、必要な設備改善、維持費の管理などに取り組むことが重要です。
特に、日本など海外に住むオーナーにとっては、現地の管理体制を整えることも、安定した賃貸運用を目指すうえで大切なポイントとなります。
マニラの不動産管理を見直す目的は、単に高い家賃を設定することではありません。
所有物件の実際の価値と市場環境を理解し、ご自身の資産計画に合った、持続可能な賃貸運用を目指すことです。
BedandGo Real Estate|不動産管理・賃貸運用のご相談
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マカティやBGCをはじめ、マニラ首都圏に物件を所有されている方は、現在の物件状況や今後のご希望についてお気軽にお問い合わせください。
ウェブサイト:https://www.bedandgoinc.com/
不動産仲介ライセンス番号:REB License No. 0005171
免責事項:本記事はフィリピンの不動産市場および賃貸管理に関する一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・金融・投資に関する専門的な助言ではありません。市場予測は将来の結果を保証するものではなく、記事内の計算例は説明用の仮定です。実際の賃料、管理費、物件状況などについては個別にご確認ください。



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